TEAM NACS 第15回公演 悪童 レビュー

TEAM NACS 第15回公演 悪童

http://liveviewing.jp/contents/nacs-akudo/

とある場所に集った5人の男。
どこにでもいる、ごく普通の男たち。
だが、彼らにはやらなければならないことがあった。
それがどんなに恐ろしい事であってもー。
5人は幼馴染。
みな、悪童だ。

脚本:古沢良太
演出:マギー
出演:TEAM NACS(森崎博之、安田顕、戸次重幸、大泉洋、音尾琢真)

協賛:ローソン
企画・製作:クリエイティブオフィスキュー、アミューズ

 6万枚のチケットが即日完売という、今、日本で一番チケットが取れない演劇集団TEAM NACS。
ファンクラブ会員の過去を持ち、現在もモバイルファンクラブ会員である私は福岡の公演楽日をゲット。

めちゃめちゃいい席とは言わないまでも、まぁ俯瞰してステージ全体を見るにはいい感じの2階席最前列ど真ん中で観劇しました。

TEAM NACSの舞台はDVDで(Worrier以外はすべて)持っていますし、
「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」、(大泉ワンマンショー)、WARRIOR~唄い続ける侍ロマン、悪童とここ数年の舞台は生で観劇しております。

さて、これまで、NACS内で脚本・演出を行ったり、
客演をいれず5人芝居を行うことが多かったのですが、
今回は脚本にリーガルハイでおなじみ古沢良太、
演出にマギーという新たな血が入ることがとても新鮮でした。

前情報を一切いれず観た結果…私としてはCOMPOSERに次ぐ大好きな演目でした。

演劇ファンなら知っていることだと思いますが、舞台を作り上げる時にはものすごい時間をかけながら作っていきます。
彼らも五人五様に身も心も削りあっていきます。
公演ギリギリまで粘り、公演中ですらセリフの内容を吟味して変えていく。
そうしてスクラップ&ビルドを繰り返し作られるのがこれまでの公演でした。
その作り上げていく様子はDVDの特典でも見ることができますが、本当に一触即発というよりもうケンカしており、ここまでしないと作り上げることは難しいのだなぁと思わせてくれます。

もし今回の公演がこれまでと同じく5人だけで作り上げる舞台だったら。
私はここまで楽しめなかったかもしれません。
劇団外での仕事が増え、知名度、実力ともに上がった現在、
人気俳優同士のスケジュールの組み合わせながら、誰かひとりに脚本・演出が集中していく手法で、5人だけの舞台を一から作り上げることは容易ではないと、簡単に想像がつくからです。

今回新たに古沢良太、マギー両氏による物語根幹を作ってこられたことが、
結果的に5人の良さを最大限発揮できたのではないかと思います。

緊張感を保ちつつスピーディーな話運びができていたと思いますし、
物語序盤のこまかな伏線もきちんと回収されていき、
ラストは観客と演者との舞台ならではの一体感が味わえ、本当に楽しい時間でした。

気になって前に進まなかったことが1点だけあります。
~話の根幹にはかかわりませんが、ネタバレになりますのでご注意を~

取り囲む警察の中で、部活の顧問に似た人物を発見したエロッチと○○。
昔の計画「○○暗殺計画」を実行しようと盛り上がり、
エロッチは交渉に来たその人物を捕まえに階下へ降ります。

そして階下から持ってきた、
「人をガムテと透明ビニールシートで拘束したような何か」に向けて
パイプなどで襲い掛かります。
行為がどんどんエスカレートしていくエロッチと○○。
他のメンバーが止めに入ります。

というシークエンス。
ほいで、ヤスケンと洋先生が殴りまくる「人をガムテと透明ビニールシートで拘束したような何か」が舞台上の「嘘」なのか「捕まえてきた警官」なのかいまいち説明がなくわかりにくいんですよね。

私は途中まで後者だと思っていたので、
おぉぉこりゃ結構ハードな犯罪ものになるんだなぁ。狂気だなぁ。と思い込んでいましたが、途中でただのゴミか何かだということに気づいて安心しました。

これを確認するうえでも、9月6日、千秋楽のライブビューイング行ってきたいと思います。
※嫁の許可が出れば。